清水沢アートパワープラント、2019年の公開を終了しました
5月13日から5ヶ月半に渡って公開を行った清水沢アートパワープラント(旧北炭清水沢火力発電所)公開事業は、今日を持って今年度の公開を終了しました。
今年は全部で約600名、そのうち個人の方(見学コース・個人的な撮影コース)164組・335名をお迎えしました。昨年の8割程度となりましたが、1回1組のみのご案内であることや当日ご連絡を頂いてお断りをすることも大変多かったので、見学ができなかった方も多くいらっしゃると思います。申し訳ありませんでした。
(団体でも250名ほどいらっしゃったのですが、あまり話ができないのでそれも申し訳ない限りです)
北炭の成長スピードを感じることができる遺産
今年も数多くの発見がありました。
特に、2号タービンのある場所は昭和3年に建屋ごと増築したのではないかという点については、これまでのご案内が一変するほど大きな発見でした。現存している建屋の増築の痕跡をたどるだけでも、北炭がものすごい勢いで拡大していったということを感じることができるということも、今年改めて感じたことでした。
残存している機械・設備類が少ないこの旧発電所では、想像力で補うしかなく、それを促すのは対話ではないかとの思いを強くしています。とはいえ、偉そうにご案内していてもまったくわかっていなかったということを後になって思い知ることが多く、不勉強で恥ずかしい限りです。見学の方から教えていただくことで点と点がつながることも本当によくありました。
北海道企業局の水力発電工事が日々進展していく様子をみることも楽しみでした。建築から80年が経過する清水沢ダムのドラマティックな変化は、今も現在進行形です。
気軽に見学できる観光施設でなくてもいい
今年いっそう強調してお話したのは、所有企業の名誉のために、廃墟と言わないでほしいという点です。
これはまだまだ浸透が甘く、すでに出回っている情報の訂正依頼なども行っていかなくてはならないと感じています。
同時に、なぜ対話という形式で行っているかという点も強調しました。旧発電所の今後については、もうすでに私達だけが考えればいい問題ではありません。私達はみなさんに、今後もこの場所について一緒に考えてくれる仲間になっていただくために、このような形式を取っています。アートの展覧会を常設展示するために公開事業が始まったように、私達がなにか動くことで変わるかもしれないということを伝えたいのです。
また今年も来場された方にアンケートをお願いするつもりですが、今年値上げをしたのは、来場者アンケートの結果、値上げして良いと回答した方が半数にのぼったという結果を受けてのことで、私達の活動を続けるためと、対話の場という趣旨をご理解いただきたいからです。「ここは対話の場であり、気軽に来ていただく観光施設でなくてもいい」というのが、有料化して2年の結論と言えるかもしれません。
来年以降の公開は雪解け後に
来年公開ができるかどうかは、雪が解ける4月中旬ごろに建物の状態を見て東亜建材工業さんと話し合って決めるので、現時点ではわかりません。
ホームページでお知らせしますので、チェックしていただくようお願いします。
また来年も見学事業が続けられるように努力したいと思います。
ご来場ありがとうございました。
一般社団法人清水沢プロジェクト
スタッフ一同
※なお東亜建材工業さんの事業用地内は、無断で立ち入ることができません。
発電所の外観をご覧になりたい方は、「清水沢ダム」からいつでもご覧いただけます。
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