122年間ありがとう。さようなら清水沢駅
JR石勝線夕張支線は2019年3月31日をもって最終運行となりました。
1897(明治30)年2月16日の開業以来122年の長きにわたり、まちの中心であり続けた清水沢駅も、その役割を終え廃止となりました。
私ども清水沢プロジェクトでは、2011年9月より「JR清水沢駅展覧会」として、待合室をお借りして展示空間としていました。
駅の廃止に伴い、この展示も「ありがとうさようなら清水沢駅展」をもって終了となりました。
最後の展示は、「あなたの思いで駅を送る」として、駅に集まる人々に寄せ書きを書いていただきました。
最終的に寄せ書きは模造紙7枚になりました。
同時に「地図」の方にもまちへの思いがどんどん増えていきました。
「俺の家だ」「○○さんを探しています」など、すごく個人的なものもたくさん。
地図については3年半も展示しましたが、時系列ではなく一枚の平面の地図に様々な時間軸の書き込みが重なっていきました。
ここまでになると、圧巻です。
展示の最終形はこのようになりました。
寄せ書きの内容については、展示の撤収が終わったら紹介していきたいと思います。
まずは、ご参加いただいた皆様に心よりお礼申し上げます。
以前、記入用のペンは、かなりの頻度で行方不明になっていました。
「持ち出さないでください」というシールを貼り付けたこともありますが、「ありがとう展」にしてからは一本も紛失することなく終わりました。
私はこのことに、非常に強く感謝を申し上げたいと思います。
7年半の間、様々なことがありました。
特に窓口営業終了・無人駅化は、駅の未来を考えると暗澹とした気持ちになりました。
しかし、2回の「お誕生会」など、与えられた状況の中では最大限に場の力を引き出す事ができたのではないかと思っています。
いまだこのようなやり方が合っていたのかわからない部分はありますが、最後までこの駅が、誇りと、秩序と、矜持を保って営業を終えるのを見届けることができたと、今は感じています。
「3月31日の、その先へ」
展示の解説文より
ありがとうさようなら。また清水沢でお逢いしましょう。
3月31日のその先の清水沢はまだ汽笛が聞こえる気がしますが、
いつもの、とても静かな清水沢です。
謝辞
長い間ご理解ご協力いただいたJR北海道ならびに社員の皆様には心よりお礼申し上げます。夕張駅のお別れセレモニーには、地元市民団体としてお招きいただき、歴史の一幕に立ち会うことができました。
また清水沢駅の清掃を担当し、陰ながらきれいな駅を守っていただいた文化堂さん、ありがとうございました。
今後、JR新夕張駅に新たな展示スペースを設けさせていただきます。
夕張の南の玄関口から、夕張の鉄道や産業の歴史に目を向けたテーマの展覧会を行っていきたいと思いますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
一般社団法人清水沢プロジェクト
佐藤真奈美