シニアフォトキャラバンに4日間随行して

鈴木さんによるレポート、最終回です。

ヒアリングを行って感じたこと

炭鉱と自分の関わりについて、夫が炭鉱で働いていた人、親が炭鉱で働いていた人のお話を聞いて「男の人が作った炭鉱」というイメージが、人々の中で強いように感じました。しかし、個々の認識に差が大きく、炭鉱に自分自身が強く関わっていたと思うかどうかは、その人に依拠する部分が多いと感じました。

シニアフォトキャラバンでヒアリングを行うことは、地域の人にとって、ヒアリングと写真の撮影をセットにすることで、相乗効果がうまれると感じました。写真の撮影も人に話すことも、自分の人生の振り返りとなり、節目となるのだと思いました。

残すということ、過去を知るということ

自分で積極的に残していきたい、振り返りたいと思う人の繋がりが少ないのではないかと感じました。伝えていきたいこと、残していきたいことを、地域の人が集まってお互いに話すことができる機会があると良いと感じました。

残し方として、見てもらうために、まずは「目に入る」ことが大切ですが、そこで「何か」を見る人に与えない限り、次に繋がらないと感じました。写真であれば、本人が撮影時の話とセットで語れば、周囲の人への影響は大きいのではないかと思いました。しかし、ヒアリング内容のような自分史に近いものだと、興味を持つのは本人や家族など、狭い範囲の人になるのかなと思いました。そこで、その良さ(自分史を作る意味)、個人の記憶の意味を伝えていくのは大変であると感じました。

また、今ではない「過去を知る」ことの意味は何か、すぐに答えはでませんが考える必要があると感じました。

私は今後、人と遺産の関係性を考え、持続性のある地域遺産の保存活動について研究する予定です。
今回のシニアフォトキャラバンは、地域遺産と地域の人との関係性を学ぶ機会となりました。
(文章・写真/鈴木里奈)

4日間お疲れ様でした!ありがとう。