「清水沢駅2015.09.30」そして「清水沢駅の思い出展」
いつの間にか10月も終わりますね…
清水沢プロジェクトは、いつものようにバタバタと自転車操業しており、フェイスブックページを中心に情報をお知らせしておりました。
清水沢駅窓口営業最後の日
そんな中、9月30日をもって、JR清水沢駅の窓口営業が終了し、10月1日から無人駅として再スタートしました。
最後の記念にと、硬券の入場券(まだ取り扱っている駅は非常に珍しいそうです)や、手書きのきっぷ(出札補充券・料金補充券)を求めるお客さんで、清水沢駅は大賑わいの日々でした。
どこの区間を買おうかと少しでも悩んだ表情を見せると、すかさず駅員氏から「はい、稚内から函館ですね〜あ、中小国でもいいですよ!」と超長距離のきっぷを買わされそうになりました(笑)
最後の日、私は営業終了まで駅の様子を“観察”させてもらっていました。
朝から清水沢駅のOBの方や千歳地区駅からの応援の方もお見えになり、そのほとんどの方が国鉄時代をよく知る大ベテランなので、最終日の妙なテンションも相まって、「国鉄清水沢駅」の雰囲気に。
お昼を告げるサイレンが聞こえると、当たり前のように買い物に行き、まかないを作り始める人がいたり。(元国鉄マンで退職後に食堂を始める方は少なからずいます。身に染み付いたものなんですね。)
大先輩たちは自然と、当時の思い出を口にし始めました。
「トイレ掃除ができて、お茶が汲めて、まかないが作れて、ようやく仕事を教えてもらえるようになるんだ。」
「貨車の入れ替えをやってたとき、連結したら順序が全部逆で、最初から入れ替えしなおした」
「カンテラを振って合図をしてたら、運転士が不思議そうな顔でこっちを見ている。よく見たら、腕を振りすぎて灯の部分が外れてどっかに飛んで行ってた。それは春になって雪の下から出てきた」
今よりももっと鉄道に人手が掛かっていた時代、身体を張って働いていた鉄道マンたちだからこそ、笑い話に仕立て上げられるんですよね。
「今の若い人たちからしてみたら信じられないだろうけどな。」
営業終了の14時、まだ窓口はきっぷを求める人達が並んでいました。
全員に対応し終わったのは14時10分頃だったでしょうか。
ちょっとしたお花を贈り、居合わせた10人くらいの人たちで拍手を贈り、窓口はいつものようにブラインドを閉めて営業終了しました。
まもなく業者の方が窓を塞ぐための作業を始め、ついさっきまで開いていた窓口にも板が張られました。
実にあっという間の出来事でした。
清水沢駅は明治30年、北炭の前身である北海道炭礦鉄道線の中間駅として開業しました。
開業して118年。窓口営業が終わっただけで、鉄道駅としてはこれからも、もちろん生き続きます。
清水沢駅はこれからも生き続けます。
JR清水沢駅展覧会「清水沢駅の思い出展」
清水沢駅展覧会は、11月から「清水沢駅の思い出展」に展示替えです。
今回で10展目、5年目のスタートです。
人々の記憶の中にある清水沢駅と、駅前のまちなみにフォーカスを当て、写真・データ・地図・人々の思い出などで展示を構成します。
会期をおよそ3期に分け、2度ほど展示替えを行う予定です。
1期目は国鉄時代の石炭列車や大夕張鉄道線の写真や、戦前に編纂された「清水沢駅史」の記述からデータを引用するなど、懐かしくも新しくもある展示となります。
往時の地図を掲示し、観覧者自身の思い出を書き込んでいただいたりしようと思います。
広く一般の方からも写真や思い出を募集するので、みなさんの思い出や写真など、ぜひお寄せ下さい!
(コメントやお問い合わせフォームからお願いします。)
また、11月15日(日)には、オープニングイベントとして、清水沢駅に40年以上にもわたり勤務した元鉄道マン中村賢さんと、元夕張市美術館館長で父が清水沢駅に勤務していた上木和正さんによるトークイベントを、待合室内で開催します。
この模様を現在の展示「石炭回想録」作家・平中麻美子さんが、グラフィックレコーディングで描き起こすというコラボレーション!
多くの方々が「わたしの清水沢駅」をそれぞれに思っていただければ。
開催概要
会期
2015年11月2日(月)〜2016年8月末まで(予定)
・第1期 11月〜2016年1月頃 駅・鉄道を主体にした展示
・第2期 2016年2月〜5月頃 まちなみ・思い出を主体にした展示
・第3期 2016年6月〜8月頃 総合的な展示
会場
JR清水沢駅待合室(夕張市清水沢3丁目/JR石勝線夕張支線)
始発から終電まで観覧可能
入場無料
主催・お問い合わせ
清水沢プロジェクト
050-5585-7676
共催
三菱大夕張鉄道保存会
夕張市石炭博物館再生プロジェクト
協力
JR北海道新夕張駅
オープニングトークイベント
11月15日(日)13:30〜15:30
JR清水沢駅待合室 参加無料
パネラー
中村賢氏(元鉄道マン)
上木和正氏(元夕張市美術館館長)
レコーダー
平中麻美子氏
イベントの詳細はこちら
http://www.facebook.com/events/452346061619558/
※大変冷えますので、暖かい格好やひざ掛けなどをお持ち下さい。