「夕張市共同浴場設置条例の一部改正について」の可決を受けて
本日3月21日に開催された、夕張市第1回定例市議会において、「夕張市共同浴場設置条例の一部改正について」の採決がありました。この条例改正案は、宮前町浴場について市営住宅の再編等により宮前地域における公衆衛生の維持という設置目的の達成が図られたことなどを受け、本年8月をもって廃止するため、条例の一部を改正しようとするものです。
反対・賛成討論後に行われた起立採決の結果、賛成多数で可決されました。しかし、反対・賛成双方の議員が「検討を重ねるべき」「議論を進めていくべき」と述べました。
反対討論に立った櫻井暁議員と、賛成討論に立った工藤政則議員それぞれの発言の概要を紹介します。
櫻井議員(反対討論)
・地域から宮前町浴場閉鎖方針撤回を求めるとの声があがっている。浴場としての宮前町のあの場所に存在し続けることに価値がある、との願いである。
・現在の共同浴場として継続できるかできないかの検討と、文化財的交流施設として公営浴場が可能かどうかの2本立てで検討を行い、その結論が出てから条例を改正しても遅くはない。
・地域の声をしっかりと受け止め、検討を重ねて結論を出してから条例改正すべきと考えるので、本定例会での改正は時期尚早である。
工藤議員(賛成討論)
・宮前町浴場は地域住民の福祉の増進、保健衛生向上と同時に、地域住民の憩いの場として地域社会で役割を果たしてきた。
・市では市営住宅の老朽化および、内風呂がない環境の改善を目的に、宮前泉団地12棟64戸を新築し、順次移転を行ってきた。また、収支赤字の増加、浴場そのものの老朽化や、地下タンクの更新など財政的課題も抱えている。
・閉鎖方針撤回の署名が市長に提出されたことは承知している。
・今回の条例改正案は、共同浴場の設置目的の達成が図られ、風呂なし住宅への対策がおおむね完了していることから、市が今後も共同浴場を設置し続ける理由はないので、条例から削るという提案は妥当。
・その上で、宮前町浴場は、これまで地域で育んできた共同浴場とは別方向の評価や、価値の議論を進めていくべきと考える。
両議員がそれぞれ立場は異なるものの、「公衆浴場としての役割とは別の価値」での議論を求めたことは、みなさまの声である署名の力、意見書の力によるところが非常に大きいと考えています。私どもは議論を喚起し、その行方を注視し、8月に一旦閉鎖となったとしても再開の余地を信じて引き続き価値を訴えていきたいと思っています。
本日の決議をもって担当課は廃止に向けて手続きを開始すると思われますが、現在宮前町浴場は煙突倒壊の危険性があるため、3月14日から臨時休業中です。できるだけ早く修繕工事が行われ、営業が再開されることを引き続き求めていきます。
これからもご支援・ご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。
宮前町内会
宮前町浴場利用組合
一般社団法人清水沢プロジェクト