清水沢まちあるきのこれまでとこれから<第100回まとめ>
1月27日、清水沢まちあるきは第100回を迎えました。
100回分に匹敵するくらい準備を行ったのですが、普段いかに準備不要の内容で実施しているかということを思い知りました。笑
清水沢まちあるきの参加者はのべ608人(99回分/主催者を除く)。
参加者ゼロの回は9回(2017年が最後)。
2018年は夕張支線廃止直前ということで注目されるようになり、平均参加者はこれまでの2〜3人から7〜10人へと増加。
2020年以降のコロナ禍などで中止が5回ありましたが、年間を通じてもっとも参加者が多かったのはステイホームの2020年。「屋外の散歩」であるまちあるきは、選ばれやすかったのかもしれません。
最多参加人数は18人(2回)。清水沢まちあるきの規模感は、「さすがにこの人数で歩くと多い」と感じます。
目的地は100回目で初めて行くところ
さて、当日。清水沢プロジェクトのメンバーであれこれ準備し、14時の開始時刻を迎えました。
お菓子のふじ前に集まったのは31名!とてもお久しぶりの方もいれば、遠方から初めてご参加の方もいました。
いつもの通り「みなさんこんにちは。第100回清水沢まちあるきです」と始めたところで拍手をいただき、なんだかじんわりしました。
「たくさん来ればいいというわけではない」と言いつつも、たくさんの方にご参加いただくとやはり嬉しいものです。
「今日の目的地はあそこです」と正面にある清水沢生活館を指差すと、失笑が漏れました。ちゃんと横断歩道まで歩いて渡ってもその距離80mでした。すみません、ほんとすみません笑
100回の振り返り
最初の方に参加していた方もだいぶ少ないので、この機に100回すべて振り返ってみることにしました。
文章と写真はほぼそのまま当時ホームページやFacebookに公開した記録ですが、最初の頃は適当で、ほとんどなにをやったのかわからない時もありました。
当日お見せしたスライドを動画でどうぞ。(約4分)
清水沢まちあるきは夕張市の関わり人口創出事業「夕張Likers!」の連携企画であり、名刺を交換するシーンが毎回見られます。
今回も1回目の名刺をすべて配りきった方の2回目の贈呈式を、会の中で執り行いました。
100回をすべて振り返ってみて一番大きかった出来事は、集合場所だった清水沢駅の窓口営業終了、そして廃止、解体なのですが、この9年近くでいろいろなお店が閉店していくのを見るのは寂しいことでした。
もともと清水沢の「おもしろい!」を発見するという趣旨で始めたものですが、いろいろなものが失われていくので、ここ最近はずいぶんテンションが下がっているのではないかと反省しています。清水沢のまちを知らない、初めて参加する方もいるわけですから。
ただ、こども園の建設の様子を毎月確認したり、新しいまちの中心である南清水沢まで出張って行ったりと、私たちは長く開催する中で、変化しつつあるまちの楽しみをも、見つけてきたのだと思います。
「同じところを歩き続ける理由は歴史に触れるだけではなく、未来へと続く希望の芽を見つけること
だったのかもしれない」
これは100回やってみて初めて気づいたことであり、清水沢まちあるきのオリジナリティなのだと思います。
清水沢まちあるきをアカデミックに考察する
北海道大学大学院国際広報メディア・観光学院博士後期課程の鈴木里奈さんがまちあるきで調査を行い、分担執筆する書籍に書いてくれました。
今回「第100回は過去の振り返りをやるから、そのときに研究成果を報告してほしい」というオーダーを快諾していただきました。
昨年5月の第92回に参加し、一緒に歩いた参加者11人にインタビュー調査を実施。
清水沢まちあるきは「ガイドツアーではない」という特徴から、参加者の属性によって偶発的な交流が生まれている様子、特にこの回は市民が多かったということもあるのですが、夕張出身者が今の夕張市民に記憶を伝えたりする様子が特徴的だとされました。
また清水沢まちあるきの参加者は、さまざまな場面で夕張のイベントやまちづくりに関わるようになり、夕張出身者が何らかの形で夕張に関わる入り口となっているとも言及されました。
「どちらかが優位」という観光客と地域住民のゆがんだ関係性は観光地としての成熟を妨げるものであり、最も避けなければならないことだと思っています。
今回鈴木さんの研究報告で、まちあるきを観光学的に分析していただけたことは本当に意義深いことでした。
まちの人から見たまちあるき
客観的にまちあるきを捉えるために、普段お世話になっているまちの人にも何か話してもらおうと思い、集合場所の「お菓子のふじ」の前田さん、コーヒーからお酒まであらゆるもので私たちを楽しませてくれる「三河屋」の小倉さんにインタビューしてきました。
前田さんの映像の直後、子どもたちと前田さんが登場し、サプライズでケーキのプレゼントをいただきました!
みんなで作ってきたまちあるきなので、みんなでいただきたいところでしたが、さすがに人数が多すぎて分けきれず…家に持って帰らせていただきました。ありがとうございましたm(_ _)m
まちの宝を歩いて見る
再び講演です。清水沢プロジェクトの活動を改めて紹介させていただくのと、改めてまちあるきの意義について考えてみる場として佐藤がお話をしました。
鈴木さんの講演と重なる部分も多く、まちあるきは清水沢プロジェクトの考え方がうまく形になったイベントであると改めて感じました。
清水沢プロジェクトは、「清水沢エコミュージアム」という考え方で地域内外の人々が相互に尊敬しあいともにまちづくりを行うことを目標にしています。
「清水沢まちあるきは地域への入り口であり、地域と関わろうとする人を生み育てる場である」
「清水沢エコミュージアムはまちあるきの参加者が学芸員」
100回やってみて、ここまで言ってもいいような気がしています。
みなさんにとってのまちあるき
ここで、ようやく本日の参加者のみなさんの自己紹介開始です…笑
市内の方はもちろん、道内各地、道外の方まで大勢ご参加いただいた中には始めての方も多かったのですが、「今度はみなさんと清水沢をたくさん歩いてみたい」という声をいくつもいただけてホッとしました。
もう少し長くまちあるきについて語り合いたかったですが、それはまた歩きながらにしましょう。
最後に、第1回から参加し、最も多く一緒に歩いてくれている黒ダイヤゴローさんへ、感謝の気持ちを込めて感謝状をお送りしました!
80メートルしか歩かない、「第100回清水沢まちあるき」はこれで幕。
みなさんに100回分の感謝が伝わるであったかはわかりませんが、これからも安全に気を配り、回を重ねていきたいと思います。
ご参加のみなさま、ありがとうございました。
これに懲りず、毎月第4土曜日午後2時にお菓子のふじ前にお集まりください。お待ちしております!