KEIさんのこと
一週間に渡ったシニアフォトキャラバンも、まもなく終了です。
木曜日現在では、12名の方の撮影が終わり、残すところお一人になりました。
内訳は女性10名、男性2名。
70代から90代まで、たった12人、されど12人もの夕張の人の笑顔を見ることができました。
メイクをしている間の表情、鏡を覗き込んだ時の驚き。
ポーズを決めて撮影されている間のイキイキとした表情。
ここに至るまでには、ほとんどの方にその来歴を伺っています。
一筋縄ではいかない人生を送った方も、何も知らずに嫁いできた方も、炭鉱とともに働き続けてきた方も、全員が撮影される時は主役になることができます。
この瞬間の輝きを、プロが全力を傾けて引き出しているのです。
KEIさんとの出会い
平野さん(KEIさん)と私佐藤との出会いは、このホームページでした(笑)
清陵町を中心に数年間通って写真撮影をしたきたけいちゃんが、「なかなか人物が撮れない、接点を作るのが難しい」ということで、清水沢プロジェクトに連絡してきてくれたのです。
自分の仕事をしっかり紹介し、目的もはっきり述べた上での渡道でした。
2013年の早春、その時は私のクルマが入院中だったため、代車のサクシードを酷使して、三笠や美唄、夕張をご案内しました。
ガイド料までいただいてのご案内でした。
KEIさんは、初対面の方にいきなりカメラを向けません。
関係性ができてからではないと撮影しない、カメラも持たない。
そして撮影した写真はちゃんとお送りするという律儀さ。
こういうカメラマンもいるんだなと鮮烈な印象でした。
シニアフォトキャラバンができるまで
その後KEIちゃんは、私…というより地域の人々に「次はお祭りの時においでね」「お盆においで」「どんと焼きにおいで」と声をかけてもらい、2014年のお祭り、2015年のどんと焼きにやって来ました。
準備も積極的に手伝い、餅つきにも挑戦。
そして、町内のいろいろな表情を写真に収めてくれました。
その際、「写真家である自分にできることを夕張でやりたい」ということで、今回のシニアフォトキャラバンの素案を話してくれました。
ちょうど清水沢プロジェクトが宮前集会所をお借りすることができるようになったので、彼女たちの行動基盤も整い、いよいよ実現となったのです。
3月にはお世話になった小西さんが思いもかけず亡くなるなど、悲しい出来事もありましたが、私はこの悲しみをKEIさんと共有することができて、本当に心強い思いでした。
一緒にきたヘアメイクスタイリストの藤原さん(かおりん)は、KEIちゃんの同僚で、美容師としての経験も豊富な人。
お年寄りの髪の毛を切ってみたいという希望を漠然と持っていたそうですが、今回KEIさんのおそるおそるの提案に乗り、夕張にやって来ました。
「自分から行動するほうじゃないので、平野さんのように行動する人についていくのも面白いと思った」とのこと。
KEIさんに対し、きちんと冷静な意見を述べることができ、それでいてかわいらしいボケっぷり。
市役所に訪問した時も、「夕張でやりたいことはなんですか」と聞かれ「メロンの収穫体験」と答えていました(笑)ちょっと時期が遅かったね…
ラストスパート!
本日最終日を迎えるシニアフォトキャラバン。
いろいろあった一週間。今日がファイナルです。
彼女たちにも、直接思いを聞き、またブログに書きたいと思います。